御朱印巡りに写経など、お寺体験のすすめ




心のオアシスへようこそ お寺体験のすすめ

日本の心を育んできた文化が見直されている昨今、お寺を訪れる女性が増加中。背筋を正して参拝するだけで、心がシャキッと整い、自分を見つめ直すことができるはず。忙しい現代だからこそ、
ちょっと立ち止まり、お寺へ足を運んでみては?

お寺ブームが到来!?お寺に癒しを求める女性が増加中

教えてくれたのは

西新井大師 總持寺 教化主任
水上俊岳(みずかみしゅんがく)さん
奈良の総本山、長谷寺で修行を積み、2005年に西新井大師僧侶となる。訪れた人々と対話し、仏教をわかりやすく伝える、お寺と人々の橋渡し役。西新井大師の歴史も日々案内している

“寺ガール”“御朱印女子”などという言葉が誕生し、御朱印巡りや写経、座禅などの体験がグンと身近な存在になってきた今日この頃。「最近では、20?30代の若い女性たちの姿が目立つようになりました。多くの方が訪れるのはとても嬉しいことです。参拝は本来、仏様に感謝を伝えるためのもの。求めているご祈願をするためにお寺へ足を運ぶのはよいことなんですよ」と、西新井大師の水上俊岳さん。とはいえ、心穏やかな気持ちで過ごすには、まずはきちんとした参拝のしきたりを心得ておくのが大事。そこで、正式なお寺参りの作法や厄年のことなど、基本の知識を身につけよう。

知っているようで知らない、正式なお寺参りの作法や意味

  • 山門 まずは一礼、中心は避けて

    お寺の入り口に建っている立派な門のこと。ここから先は神聖な領域。入る前に山門の前で足を止め、必ず一礼を。仏様が通る中心の道を避け、端を歩くのが基本。山門をくぐったら、大声で笑ったり話したりせず、心静かに行動するよう心がけて。ここから参拝がスタート

  • お手水 両手と口を水で清める

    お寺に入ったら、まずは参道の途中にあるお手水へ立ち寄って。ここは、御本尊様をお参りする前に身を清める場所。柄杓を使って、左手、右手と水で洗い、最後に柄杓を使って左手に水を汲み、手で隠しながら口をすすいで。柄杓に直接口を付けるのは絶対NG

  • 参拝とお賽銭 まずは御本尊様にご挨拶

    多くの仏像がいるお寺でも、まずいちばん先に御本尊様にご挨拶。胸の前で静かに手を合わせ(柏手は打たない)、一礼と共に心の中でご挨拶。お賽銭を入れ、再び合掌しお願いごとをしたら、最後に深く一礼。お賽銭はお布施なので、投げたりせず静かに入れて

  • おみくじ 良ければ持って帰ろう

    実はおみくじは何度引いてもOK。良ければ持っていて、悪ければお寺へ結んでいこう。それほど決まりはないので、気軽に楽しむ気持ちも大事。大凶や凶が出ると落ち込んでしまいがちだけど、書いてある内容を心に留めながら、気をつけるべきことは気をつければ問題なし

  • お守り 願いがかなったらお礼参りを

    厄除けで有名な西新井大師の場合、厄除け、身代わり、交通安全、火伏せ、盗難除けなど、お守りの種類が多い。中には、僧侶が拝んだ仏様の御真言が入っている。お守りに込めた願いがかなったら、お礼参りをしてお守りを納めるのがポイント。お礼参りは大事!

  • 御朱印 お経を納めるのが本来の意味

    御朱印は本来、写経したお経を納めた証。写経を納めた後、読経し、その後で御朱印を受け取け取るという流れ。今は、参拝するきっかけになればいいと御朱印巡りを受け入れているお寺が多い。でも、単に御朱印巡りをするのではなく、本来の意味を知った上で行動しよう

誰にでもやってくる厄年の大事な話。女性の厄年と向き合うにはどうしたらいい?

30代の女性は多くの時期が前厄・本厄・後厄にあてはまる厄年と言われているけれど、そもそも厄年とは? 「厄年とは人生の節目。30代の女性は出産など昔は命に関わることが多く、この先災いがないようにという願いが厄除けにつながっています」と、西新井大師・水上俊岳さん。人生の節目には、環境の変化や体の変化が起こるもの。厄年は、「この時期は気をつけなさい」という仏様からのメッセージが込められている。厄年は、いわば心構えをする年。厄除けでは災いがないように願い、厄除けをしたからと安心せず、なにかあったとしても、この程度で済んだという気持ちで、落ち着いて過ごそう。

厄除け・厄払い体験

厄払いは厄除けのお寺へ。昔から「男は川崎大師、女は西新井大師」と言われている。受ける時期は、年の始めが一般的。ただ、なにか先に気になることや不安があるときは、いつでも大丈夫。西新井大師では、御本尊の前に護摩壇を置き、薪を燃やして祈祷する。お護摩の火で煩悩を焼き払い、心と体を清めてくれる。

誕生日で厄年を調べてみよう

お参りがもっと楽しくなる! 西新井大師でお寺体験

  • 塩地蔵

    西新井大師のお地蔵様にお参りするとイボやできものが治るという説が江戸時代頃から広がり、人々が訪れるように。雪のようにお地蔵様に降りかかっているのはすべて塩。この塩を持ち帰り、功徳があったと感じたら、倍にしてお礼に来るという習わしになっているそう

  • 庭園

    境内奥にある美しい日本庭園は西新井大師の魅力のひとつ。池には鯉が泳ぎ、朱色の太鼓橋がかかり、華やかな印象。総本山長谷寺から移植された牡丹園は、春になると2500株もが咲き誇る。桜、樹齢700年の藤、アジサイ、金木草など、彩り豊かに目を楽しませてくれる

  • 如意輪堂(にょいりんどう)

    女人堂とも呼ばれ、如意輪観音が祀られている。観音菩薩は、もともと人々の救いの声を聴き、応じてくれる観音様。女性らしい姿をしている如意輪観音は、女性の諸願成就にご利益があるとされていて、良縁・結婚・安産などで参拝する女性たちに親しまれている

  • 写経

    お釈迦様の説法を書き伝えたものが始まり。僧侶の修行のひとつで、日本では奈良時代より国家の大安を願い行われていたそう。人のため、自分のために功徳を得られるとされていて、願いを込めた写経はお寺に納めるのが基本。西新井大師では、偶数月に写経に参加できる

  • 四国八十八箇所お砂踏み霊場

    弘法大師(空海)が願いを込めて巡ったと言われているお寺の総称。寺院は四国四県に八十八カ所にあり、その跡を辿ると人生を再確認できると言われる。ここにある像の周囲を左周りに1周すると、八十八カ所をお参りしたのと同じ功徳があると言われている

  • 参道

    参道には名物の草団子や和菓子をはじめ、手焼きの煎餅やカキ氷を出す茶屋など、小さな商店が並び風情豊か。線香・仏具・だるまの店など、寺院がある街ならではのお店も。商店会の加盟店だけでも100店舗以上あるから、お寺までぶらぶら歩きが楽しめる

  • グルメ

    草団子は有名店がいくつかあり、食べ比べをするのも楽しい。ヨモギの香りがする団子に、つぶとこしが選べるあんこが箱の中にぎっしり。カフェ「まめつばき」では、皮の色がカラフルな最中が大人気。日替わりのあんが6種から選べるアイスもなかは食べ歩きにも◎

  • 縁日

    神仏に縁のある日に参拝すると、格別なご縁が結べると言われ、とりわけご利益をいただけるとされている。西新井大師でもたくさんの縁日があるけれど、お大師様の日である毎月21日の縁日が有名。境内には屋台フード、洋服店、鍛冶屋など、100以上の出店が並ぶ

西新井大師 總持寺

干ばつで人々が苦しんでいた、天長3(826)年に弘法大師(空海)が訪れ、十一面観音と自身の像を彫って祈願した。すると枯れ井戸から水が湧き出し、人々が救われたというのが西新井大師の始まり。以来、厄除けのお寺として有名に。盆踊りや阿波踊りを見られる8月の夏祭りもチェック!

  • 東京都足立区西新井1-15-1
  • TEL.03-3890-2345
  • アクセス/東武大師線大師前駅よりすぐ
西新井大師 總持寺公式ホームページ

撮影/三浦一仁、印のついた画像は西新井大師提供 モデル/香取優希 取材・文/高橋瑞穂(六識)


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